1、フケや頭皮のかゆみでお困りではありませんか?

「シャンプーを毎日しているのに、肩にフケが落ちる。」

「美容院で頭皮が赤いと言われた。」

「黒い服を着るのをためらってしまう。」

「頭がかゆくて、気づくと掻いてしまう。」

「鼻の横や眉毛の周りがいつもカサカサする。」

このようなお悩みはありませんか。

実は、そのフケやかゆみは、単なる乾燥ではなく「脂漏性皮膚炎」という病気が原因かもしれません。

2、脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹とは

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の分泌が多い場所に起こる慢性的な炎症性皮膚疾患です。

「脂漏性湿疹」と呼ばれることもあります。

皮脂と皮膚にもともと存在する真菌(カビ)の影響などによって炎症が起こり、

赤み、フケ、かゆみ、皮むけ、ベタつきなどの症状が現れます。

症状が出やすい部位は、頭皮、生え際、眉毛、眉間、鼻の横、耳のまわり、胸の中央、わきなどです。

良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、適切な治療によって症状をコントロールできることが多い病気です。

なお、「フケ症」とは病名ではなく、フケが多い状態を表す一般的な言葉です。

その原因の一つが脂漏性皮膚炎です。脂漏性皮膚炎によるフケには、頭皮の赤みがある、かゆみを伴う、などの特徴があります。

脂漏性皮膚炎と間違いやすい病気として

・乾燥によるフケ
・アトピー性皮膚炎
・乾癬
・シャンプーかぶれ
・頭部白癬(頭の水虫)

などがあります。治療法が異なりますので、正確な診断が必要です。

3、なぜ起こるの?脂漏性皮膚炎の原因

脂漏性皮膚炎は、一つの原因だけで起こる病気ではありません。

いくつかの要素が重なって発症すると考えられています。

主な要因として、

・皮脂分泌の増加
・マラセチアという真菌
・ストレス
・睡眠不足
・疲労
・季節の変化
・ビタミン不足
・紫外線
・摩擦刺激

などが挙げられます。

「忙しい時期に悪化する」

「寝不足が続くとかゆくなる」

「冬や季節の変わり目に繰り返す」

という方も少なくありません。

4、マラセチア(皮膚のカビ)との関係

マラセチアは、健康な人の皮膚にも存在する常在真菌(カビ)の一種です。

誰にでもいるもので、通常は悪さをしません。

しかし、皮脂が多い環境では増えやすくなり、皮脂を分解する過程で炎症を引き起こすことがあります。

このため、脂漏性皮膚炎では「抗真菌薬」が効果を示すことがあります。

「カビ」と聞くと人にうつる病気を想像される方もいますが、脂漏性皮膚炎は一般的な感染症とは異なります。

5、脂漏性皮膚炎の治療

脂漏性皮膚炎の治療は、「今出ている症状を落ち着かせる治療」と、「再発しにくい状態を維持する治療」の両方が大切です。

症状の強さや部位によって、いくつかの治療を組み合わせて行います。

抗真菌薬(カビに対する治療)

脂漏性皮膚炎では、マラセチアという常在真菌(カビ)が炎症に関与していることがあります。

そのため、マラセチアの増殖を抑える抗真菌薬を使用します。

頭皮、顔、耳のまわりなど、症状のある部位に応じて薬を使い分けます。

「赤みはあまりないけれど、フケだけが続く」という方でも、抗真菌薬によって改善することがあります。

ステロイド外用薬

赤みやかゆみが強い場合には、炎症を早く抑えるためにステロイド外用薬を使用します。

適切な強さの薬を適切な期間使用すると、つらい症状を比較的短期間で落ち着かせることが期待できます。

頭皮のステロイド外用について

頭皮は髪の毛があるため、一般的な軟膏やクリームでは塗りにくいことがあります。そのため、当院では頭皮にはローションタイプのステロイド外用薬を使用することが多く、髪の間にも塗りやすいのが特徴です。

また、コムクロ®シャンプーというステロイド配合の薬剤配合のシャンプーもあり、頭皮全体に炎症が広がっている場合の治療選択肢となります。シャンプーにもかかわらず、保険適応での処方が可能です。

非ステロイド外用薬

症状や部位によっては、タクロリムス軟膏などの非ステロイド外用薬を使用することがあります。

顔など、ステロイドを長期間使用しにくい部位では選択肢となる場合があります。

症状を落ち着かせた後の維持治療として使用することもあります。

ビタミン内服

ビタミンB群などを補助的に使用することがあります。

皮脂のバランスや皮膚の状態を整える目的で処方を検討します。

すべての方に必要というわけではなく、症状や生活背景に応じて判断します。

抗アレルギー薬
かゆみが強く、掻いてしまうことで悪化している場合には、抗アレルギー薬を併用することがあります。

6、シャンプー・スキンケアのポイント

脂漏性皮膚炎では、毎日の頭皮ケアも大切です。

しかし、「しっかり洗えば治る」というわけではありません。

むしろ、洗いすぎによって悪化してしまうこともあります。

洗い方のポイント

・爪を立てず、指の腹でやさしく洗う
・熱すぎるお湯は避ける
・洗浄力が強すぎるシャンプーは使いすぎない
・シャンプーは十分にすすぐ
・洗髪後はしっかり乾かす

「脂っぽいから」と1日に何度も洗ったり、ゴシゴシこすったりすると、かえって頭皮のバリア機能が低下することがあります。

コラージュフルフルについて

脂漏性皮膚炎では、抗真菌成分を含むシャンプーが役立つことがあります。

代表的なものとして、コラージュフルフルがあります。

ただし、「このシャンプーさえ使えば必ず治る」というものではありません。

炎症が強い場合には、薬による治療を併用することが重要です。

当院でも取り扱いがありますので、ご希望の方はご相談ください。

7、似た病気との見分け方

脂漏性皮膚炎は、他の病気と見た目が似ていることがあります。

酒さ(しゅさ)

酒さは、赤ら顔やほてり、毛細血管の拡張が特徴です。

脂漏性皮膚炎では、

・フケ
・皮むけ
・ベタつき

を伴いやすい点が異なります。

ただし、両方を合併していることもあります。

尋常性乾癬

乾癬では、赤く盛り上がった皮膚に厚い銀白色のフケがみられます。

肘や膝にも症状がある場合には乾癬を疑います。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎では、

・乾燥肌
・強いかゆみ
・幼少期からの湿疹

が特徴です。

脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い場所に集中しやすいという違いがあります。

接触皮膚炎(かぶれ)

新しいシャンプーや整髪料、毛染めの後に悪化した場合には、かぶれの可能性があります。

「使い始めてから急に悪化した」という場合は、早めの受診をおすすめします。

頭部白癬(頭の水虫)

頭皮のカビ感染で、脱毛を伴うことがあります。

治療法が大きく異なるため、注意が必要です。

8、日常生活で気をつけたいこと

脂漏性皮膚炎は、生活習慣の影響を受けることがあります。

次のようなことを意識してみましょう。

・頭皮を強くこすらない
・洗いすぎない
・十分にすすぐ
・刺激の少ない整髪料を選ぶ
・睡眠不足を避ける
・ストレスをため込みすぎない
・暴飲暴食を控える
・脂っこい食事や甘いものを摂りすぎない
・症状が悪化したら早めに治療する

9、よくある質問(Q&A)

Q. フケがあるだけでも皮膚科を受診してよいのでしょうか?

もちろんです。

「赤くないから大丈夫」「フケくらいで病院に行くのは大げさかも」と思われる方は少なくありません。しかし、フケが長く続いている場合には、脂漏性皮膚炎だけでなく、乾癬や頭部白癬(頭の水虫)など別の病気が隠れていることもあります。


Q. 美容院で「頭皮が赤いですね」と言われました。受診した方がよいですか?

はい、受診をおすすめします。

頭皮の赤みは、脂漏性皮膚炎のほかにも、

・かぶれ
・乾癬
・アトピー性皮膚炎
・毛染めによる刺激

などが原因になることがあります。


Q. 脂漏性皮膚炎に効果のあるビタミンが豊富な食べ物は?

脂漏性皮膚炎のケアにおいて、特に重要視される栄養素は「ビタミンB2,ビタミンB6」です。皮膚の正常な代謝を支える補助的な役割を持っています。

豊富に含まれる食品

ビタミン豊富に含まれる食品の例
ビタミンB2豚・牛・鶏レバー、ウナギ、納豆、卵、牛乳、ヨーグルト、チーズ、アーモンド
ビタミンB6マグロの赤身、カツオ、鶏肉(ささみ・胸肉)、牛レバー、バナナ、にんにく、玄米

Q. フケが多いと周囲に不潔だと思われないか心配です。

そのように悩まれている方は非常に多くいらっしゃいます。

しかし、脂漏性皮膚炎は「清潔にしていないから起こる病気」ではありません。

実際には、毎日きちんとシャンプーをしている方でも発症します。

「自分のケアが足りないせい」と責める必要はありません。適切な治療で改善が期待できます。


Q. 妊娠中や授乳中でも治療できますか?

症状や妊娠週数によって使用できる薬があります。

自己判断で市販薬を使い続けるよりも、妊娠中・授乳中であることを医師に伝えたうえで相談することをおすすめします。

無理のない範囲で治療方法をご提案いたします。


Q. 抜け毛が増えてきました。脂漏性皮膚炎の影響でしょうか?

強い炎症やかゆみによって掻き壊しが続くと、一時的に抜け毛が増えることがあります。

ただし、

・男性型脱毛症(AGA)
・女性型脱毛症(FAGA)
・円形脱毛症

など、他の脱毛症が合併していることもあります。

抜け毛が気になる場合には、頭皮の状態を含めて確認することをおすすめします。


Q. 一度良くなったのに、また再発しました。治療が効いていなかったのでしょうか?

効いていなかったわけではありません。

脂漏性皮膚炎は、体質や生活環境の影響を受けながら、良くなったり悪くなったりを繰り返しやすい病気です。

症状が落ち着いた後も、

・適切なスキンケア
・悪化因子を避けること
・必要に応じた維持治療

によって再発を減らせることがあります。

「繰り返すから治らない」とあきらめず、ご相談ください






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