目次
手汗・脇汗でお悩みの方へ
手汗や脇汗が多く、毎日の生活で困っていませんか。
書類が濡れる、スマートフォンが反応しにくい、パソコン操作がしづらい、人と握手するのが不安、洋服の汗ジミが気になるなど、多汗症のお悩みは人に伝わりにくいものです。
「汗くらいで皮膚科に行っていいのかな」と我慢している方も少なくありません。
しかし、手汗や脇汗は治療できる可能性があります。
現在は、手汗にはアポハイドローション、脇汗にはエクロックゲルやラピフォートワイプなど、保険適用の外用薬があります。
汗の悩みを減らすことは、単に汗を止めることではありません。
毎日の不安を減らし、仕事、学校、人付き合い、服選びを少し楽にするための治療です。
多汗症は治療できる病気です
多汗症は、日常生活に支障をきたすほど汗が多く出る病気です。
手のひらの汗が多いものを原発性手掌多汗症、脇の汗が多いものを原発性腋窩多汗症といいます。
緊張や暑さで汗が増えることはありますが、多汗症は単なる性格の問題ではありません。
汗を出すエクリン汗腺の働きが過剰になることで、必要以上に汗が出てしまいます。
手汗治療で期待できること
手汗が多いと、学校や仕事で困る場面が多くなります。
ノートや書類が濡れる、文字がにじむ、スマートフォンが操作しにくい、パソコンのマウスやキーボードが使いづらい、人と手をつなぐことに抵抗があるなど、日常生活に大きな影響が出ることがあります。
手汗治療により汗が減ると、 ・書類やノートが濡れにくくなる
・スマートフォン操作がしやすくなる
・パソコン作業に集中しやすくなる
・人前で手を出す不安が減る
・握手や接客時の緊張が軽くなる
・手荒れが起こりにくくなる可能性がある
といった変化が期待できます。
「手汗のせいで行動を制限している」と感じる方は、ぜひご相談ください

脇汗治療で期待できること
脇汗が多いと、汗ジミが気になり、服選びが制限されます。
グレーの服を避ける、薄い色の服を着られない、ジャケットを脱げない、夏だけでなく冬でも脇汗が気になるという方もいます。
脇汗治療により汗が減ると、 ・汗ジミが目立ちにくくなる
・好きな色の服を選びやすくなる
・人前で腕を上げやすくなる
・制汗剤を何度も塗り直す負担が減る
・職場や学校で人目を気にしにくくなる
・外出や仕事に集中しやすくなる
ことが期待できます。
脇汗の治療は、毎日を前向きに過ごすための治療です。

保険適用の外用薬について
アポハイドローション

<どんな薬?>
手汗を減らすための塗り薬です。
手のひらには、汗を出す「汗腺」という小さな器官があります。アポハイドローションは、この汗腺に「汗を出しなさい」という指令が伝わりにくくなるように働きます。
その結果、手のひらから出る汗の量を減らすことが期待できます。
<効果>
4週時点で発汗量が50%以上改善の割合は、アポハイド使用例で52.8%、プラセボで24.3%。
<使用法>
1日1回寝る前に両手のひらに外用して、塗ったまま寝ます。5プッシュを1回分とします。12歳以上。
<副作用>
皮膚炎、目がかすむ、まぶしくなる、のどが渇く、排尿障害など
<注意点>
①前立腺肥大、閉塞性隅角緑内障、重い心臓病、腸閉そく・麻痺性イレウス、重症筋無力症の方は使用できません。
②妊娠・授乳中はなるべく避けた方が無難です。
ラピフォートワイプ

<どんな薬?>
脇汗を減らすための、ふき取りタイプの薬です。
薬が含まれたシートで両わきをふき取ることで、汗腺に汗を出す指令が伝わりにくくなり、脇汗を抑えることが期待できます。
塗り薬が苦手な方でも使いやすいタイプの保険適用薬です。
<使用法>
1日1回両わきを薬が入っているシートにてふき取ります。9歳以上。
<副作用>
皮膚炎、目がかすむ、まぶしくなる、のどが渇く、排尿障害など
<注意点>
①前立腺肥大、閉塞性隅角緑内障の方は使用できません。
②妊娠・授乳中はなるべく避けた方が無難です。
③わき毛を剃った直後に外用すると副作用が出やすくなる可能性があります。
わきがでお悩みの方へ
脇汗とあわせてご相談が多いのが、わきのにおいです。
「近くの人に気づかれていないか不安」
「電車や職場で人との距離が気になる」
「服ににおいが残る」
「制汗剤を使っても不安が消えない」
このようなお悩みは、とてもデリケートです。
わきがは、清潔にしていないから起こるものではありません。
わきのアポクリン汗腺から出る汗が、皮膚の細菌によって分解されることで独特のにおいが生じる体質です。
思春期以降に気づくことが多く、家族に同じ体質の方がいる場合や、耳あかが湿っている方に多くみられます。
わきがも保険診療で相談できます
わきがというと、
「ミラドライしかない」
「手術しないと治らない」
「高額な治療を受けるしかない」
と思われる方が少なくありません。
しかし、軽症から中等症の方では、保険診療で症状の軽減が期待できることがあります。
わきがのにおいは、汗と細菌が関係しています。
そのため、
・脇汗を減らす
・皮膚の細菌を減らす
・毛を減らして清潔を保ちやすくする
ことで、においが軽くなることがあります。
エクロックゲルやラピフォートワイプは、わきがの原因であるアポクリン汗腺を直接なくす薬ではありません。
しかし、脇汗を減らすことで細菌が増えにくくなり、結果としてにおいが改善する可能性があります。
また、必要に応じて抗菌薬外用を使用し、においの原因となる細菌を抑えることもあります。
「まずは保険診療でできることを試したい」という方は、お気軽にご相談ください。
ミラドライ・手術との違い
ミラドライ
ミラドライは、マイクロ波によって汗腺を破壊する自費治療です。
切らない治療である点は魅力ですが、費用が高額になりやすいことがデメリットです。
また、腫れ、しびれ、違和感などが出ることもあります。
有効な治療の一つですが、最初から高額な自費治療を選ぶ必要はありません。
軽症から中等症の方は、まず保険診療の外用薬から始める選択肢があります。
手術
わきが手術は、アポクリン汗腺を直接取り除くため、強い効果が期待できます。
一方で、
・傷跡が残る可能性(非常に重要)
・術後の安静が必要
・内出血や感染のリスク
・腕を動かしにくい期間がある
といったデメリットがあります。
「手術は怖い」
「傷跡が目立つのは避けたい」
「まずは薬でできることを試したい」
という方は、まず皮膚科で相談してください。
多汗症とわきがの違い

| 多汗症 | わきが | |
| 主な原因 | エクリン汗腺 | アポクリン汗腺 |
| 主な症状 | 汗が多い | においが気になる |
| よくある悩み | 手汗、脇汗、汗ジミ | におい、衣類の黄ばみ |
| 保険治療 | あり | 症状により相談可 |
| 治療の考え方 | 汗を減らす | 汗・細菌・毛をコントロール |
よくある質問
Q:手汗や脇汗は皮膚科で相談できますか?
A:はい、相談できます。手汗や脇汗は皮膚科で診療する病気です。日常生活に支障がある場合は、治療の対象になります。「汗くらいで受診してよいのか」と迷わずご相談ください。薬剤は保険適応です。
Q:多汗症は性格の問題ですか?
A:いいえ。緊張で汗が増えることはありますが、多汗症は単なる性格の問題ではありません。汗を出す仕組みが過剰に働くことで、暑くなくても汗が出ることがあります。
Q:薬を塗ると汗は完全に止まりますか?
A:完全に汗を止める治療ではありません。生活に困るほどの過剰な汗を減らすことが目的です。体温調節に必要な汗まで全て止めるわけではありません。
Q:どのくらいで効果が出ますか?
A:個人差がありますが、数日から数週間で変化を感じる方がいます。十分な効果を判断するためには、一定期間継続して使用することが大切です。
Q:手汗でスマートフォンやパソコン操作がしにくい場合も相談できますか?
A:はい。手汗によってスマートフォン、パソコン、筆記、楽器演奏、接客などに支障がある場合は治療を検討できます。
Q:脇汗で服の汗ジミが気になります。治療できますか?
A:治療できる可能性があります。保険適用の脇汗治療薬により汗の量が減ると、汗ジミの不安が軽くなることがあります。
Q:わきがは不潔だから起こるのですか?
A:いいえ。わきがは体質によるもので、不潔が原因ではありません。毎日入浴していても、衣類を清潔にしていても、においが出ることがあります。自分を責める必要はありません。
Q:わきがは保険診療で治療できますか?
A:症状によっては保険診療で改善が期待できる場合があります。脇汗を減らす外用薬や、細菌を抑える外用薬により、においが軽くなることがあります。
Q:耳あかが湿っていると、わきがですか?
A:湿った耳あかは、わきが体質と関連することがあります。ただし、耳あかが湿っているだけで必ずわきがとは限りません。においの程度や生活への影響を含めて判断します。
Q:家族にわきがの人がいると、自分もなりやすいですか?
A:なりやすい傾向があります。わきがには体質や遺伝的要素が関係します。家族歴がある方、衣類の脇が黄ばみやすい方、思春期以降ににおいが気になり始めた方はご相談ください。
Q:市販の制汗剤と病院の薬は何が違いますか?
A:市販の制汗剤は、汗やにおいを一時的に抑える目的が中心です。医療機関で処方する薬は、汗を出す仕組みに働きかけて発汗を抑えることが期待できます。
Q:わきがで受診するのが恥ずかしいです。
A:恥ずかしく感じる方は多いですが、皮膚科ではよくある相談です。汗やにおいの悩みは生活の質に大きく関わります。安心してご相談ください。
下高井戸駅前皮膚科クリニックのご案内
下高井戸駅前皮膚科クリニックは、京王線・東急世田谷線「下高井戸駅」北口徒歩0分の、世田谷区・杉並区の皮膚科クリニックです。
手汗、脇汗、わきがのお悩みは、一人で抱え込まずにご相談ください。
保険診療でできることから、無理のない治療をご提案いたします。