目次
1. 水いぼ(伝染性軟属腫)とは?

水いぼは、子どもによくみられるウイルス性の皮膚感染症です。
「小さなプツプツができた」
「気づいたら胸や脇にも増えていた」
「園の先生から水いぼと言われた」
このようなきっかけで受診されることが少なくありません。
見た目は、白っぽい~肌色の丸いブツブツで、表面にツヤがあり、真ん中が少しくぼんでいるのが特徴です。
2~6歳頃のお子さまに多くみられますが、小学生でも珍しくありません。
2. 水いぼは自然に治る?
水いぼは、免疫がつくことで自然に治る病気です。
そのため、「絶対に取らなければいけない病気」ではありません。
ただし、放置することで以下のようなデメリットもあります。
・半年~数年続くことがある
・気づかないうちに数が増える
・かいて広がる
・兄弟姉妹にうつる
・湿疹やとびひを起こす
「自然に治るから様子を見る」
「増えてきたので早めに治療する」
待つも正解、取るも正解、どちらも間違いではありません。 大切なのは、お子さまの年齢、水いぼの数、かゆみの有無、アトピーの有無、プールや通園事情など総合的に考えて治療方針を決めることです。
3. 水いぼはどうやってうつる?
原因は、伝染性軟属腫ウイルスというウイルスです。
皮膚にできた水いぼの中にはウイルスがたくさん含まれています。
そのため、
・掻いた手で別の場所を触る
・兄弟姉妹の肌が触れ合う
・タオルなどを共有する
・軟膏を塗る
ことで広がることがあります。
ただし、過度に神経質になる必要はありません。
普段どおりの生活を送りながら、必要な予防策を取り入れていくことが大切です。
4. 水いぼの診断
多くの場合は、診察だけで診断できます。
特徴的な見た目から判断できるため、特別な検査が必要になることはほとんどありません。
ただし、
・ウイルス性イボ
・稗粒腫
・毛包炎
・汗疹
・虫刺され
などと区別が必要になることがあります。
なお、赤い水いぼは感染のこともありますが、ボーテ反応といって、自然治癒する前触れのこともあります。
5. 水いぼの治療
治療法は一つではありません。
当院では、お子さまの負担とご家族の希望を考慮しながら選択しています。
5.1 経過観察
自然に治るのを待つ選択肢があります。特に数が多い場合や、何度も再発を繰り返す場合、痛みにお子様が弱い場合などです。
5.2 ピンセットによる除去
もっとも一般的な治療です。
専用の器具で、水いぼの内容物を取り除きます。
数が少ない場合には、短期間で水いぼを減らせるメリットがあります。
一方で、
・チクッとした痛み
・少量の出血
・傷跡(瘢痕)が残る※
・嫌な記憶として残ってしまう
などの可能性もあります。
※除去後の傷跡について
水いぼは小さいため、除去後の傷跡はほとんどわからないことも多いです。しかし、水いぼが大きかったり、お子様が動くことで除去時の傷が深くなったり、そして除去する部位や体質なども加わって、瘢痕という傷跡が残る可能性もあります。なお、傷跡の赤み(PIE)や黒ずみ(PIH)は自然に消えます。
ただし、水いぼの自然経過でも傷跡(?)が残る場合があります。これは、感染、ひっかいた刺激、ボーテ反応などでも、瘢痕なる可能性はあります。
つまり、除去しても傷跡が残るとは限らないし、待っていても傷跡ができないとも限りません。
痛みを減らすための工夫
「痛い思いをさせたくない」
「病院嫌いになってほしくない」
保護者の方が最も心配される点の一つです。
当院では、ペンレステープ(麻酔テープ)を用いた除去にも対応しています。
なるべくお子さまの負担を減らせるよう配慮しています。
ペンレステープは、30分以上貼付(ちょうふ)していただくとよいですが、60分以上だとさらに痛みは減ります。
5.3 ワイキャンス(外用剤)
近年では、外用治療という選択肢も登場しています。
ただし、当院では現在ワイキャンスによる治療は行っておりません。
5.4 銀イオン配合クリーム

抗菌作用のある銀製剤のクリームです。3か月で8割の水いぼが消えたという報告があります。
銀イオン配合抗菌クリーム(M-BF クリーム)は自費で当院にて取り扱っています。
15g 2,200円(税込)
5.5 その他
・ヨクイニン内服
•液体窒素
・ヨード外用
・サリチル酸製剤(スピール膏)
なども水いぼに対して使用されることがあります。
6. 水いぼが増えやすいお子さまの特徴
特に増えやすいのは、
・アトピー性皮膚炎がある
・乾燥肌が強い
・かゆくて掻いてしまう
・兄弟に水いぼがある
以上のようなお子さまです。
他に、夏や運動で汗をかくと、汗による刺激であせもや湿疹が悪化して、皮膚のバリア機能が低下し、かゆみから掻いてしまうことで水いぼが広がりやすくなることもあります。
水いぼだけを治療するのではなく、背景にある湿疹や乾燥肌のケアも大切になります。
7. ご家庭で気をつけたいこと
・爪は短く切る
・かゆみは放置しない
・タオルの共用は避ける
・患部を必要以上に触らない
無理なく続けられる範囲で十分です。
※保湿について 保湿は皮膚のバリア機能を回復させたり、かゆみを減らすことで、水いぼを広げないようにする効果が期待できます。ただ、水いぼをこすりながら保湿を広げることで、水いぼを他の部位に広げるリスクもあります。よって、特に優しく外用する方がいいかもしれません
8. 当院の水いぼ治療への考え方
「取るべきですか?」
診察で最も多い質問です。
正解は一つではありません。
だからこそ当院では、
「数が少ないうちに取りたい」
「できれば様子を見たい」
「本人が嫌がるので痛みを減らしたい」
など、ご家庭の考え方を大切にしています。
無理に除去をすすめることも、逆に何もしないことをすすめることもありません。
お子さまと保護者の方が納得できる方法を、一緒に考えていきます。
9. よくある質問(Q&A)
Q. 兄弟のうち、一人だけ治療しても意味はありますか?
A. はい。症状があるお子さまだけを治療することで、家庭内での感染拡大を減らせることがあります。兄弟全員に同じ対応が必要とは限りません。
Q. 水いぼを取ると跡は残りますか?
A. 多くは目立たず治りますが、もともと掻き壊していた場合や炎症が強かった場合には、一時的な色素沈着や小さな跡が残ることがあります。
Q. ラッシュガードは着せた方がいいですか?
A. プールでの肌の接触が気になる場合には有効です。園や学校から求められることもあります。
Q. 水いぼが急に赤く腫れてきました。すぐ受診した方がよいですか?
A. 治る前の反応で赤くなることもありますが、とびひなど細菌感染を起こしていることもあります。痛みや膿を伴う場合は受診をおすすめします。
Q. 水いぼが1個だけでも受診した方がいいですか?
A. はい。数が少ないうちの方が治療方針の選択肢は広くなります。「様子を見るべきか相談したい」という受診も歓迎しています。
Q. 子どもが怖がりです。押さえつけて取るしかないのでしょうか?
A. 無理に除去すると病院への恐怖心につながることがあります。当院では麻酔テープや経過観察なども含め、お子さまの性格に合わせて治療方法をご提案します。ただし、お子様によってはどうしても体動が激しく、保護者様にも手伝っていただいて動きを抑えることが必要な場合もございます。
Q. 水いぼがあるとスイミングスクールは断られますか?
A. 多くの施設では参加可能ですが、独自のルールを設けている場合があります。必要に応じて診察時にご相談ください。
Q. 「もっと早く来ればよかった」となることはありますか?
A. 実際によくあります。数個だったものが数十個に増え、「あの時相談しておけば…」とおっしゃる保護者の方も少なくありません。迷った段階でご相談いただくことも大切な受診理由です。
下高井戸駅前皮膚科クリニック
下高井戸駅前皮膚科クリニックは、京王線・東急世田谷線「下高井戸駅」北口徒歩0分の、世田谷区・杉並区の皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科です。