注射器を使わないで
食物や花粉、ダニなど41種類のアレルギー検査ができます。(少量の血液は必要です)
赤ちゃん、お子様でも可能です。健康保険適応です。
当院からのメッセージ
アトピー性皮膚炎は赤ちゃんのころから発生し、人によっては長引く皮膚の病気です。お顔や首など見えるところが赤くなったり、強いかゆみが続いてつい引っかいたりして、お子さんの場合はとくにかきこわしてきずになったり、ご本人もお辛いと思いますし、保護者の方お子さんがかゆそうな様子をみているのもお辛いとおもいます。
当院ではアトピー性皮膚炎でお悩みのお子様に、できる限りの皮膚科専門医ならではの治療を提供して、少しでも快適な生活を送っていただけるようにお手伝いをさせていただきます。
アトピー性皮膚炎は長い目で見れば継続してコントロールしていくことでいずれ症状が出なくなっていくことも多いですので、希望をもっていただければと思います。
お子さんの場合はとくに、10歳ごろまでに皮膚症状のコントロールがつくと、大人になってからの症状がかなり軽くなったり、大人になる前に症状がとても落ち着くことが多いです。
アトピー性皮膚炎の治療では外用はかかせません。症状が良い時もベースの保湿剤は継続しなくてはなりません。お子さんのうちに外用剤を保護者の方と上手につかっていくことで、成長とともにご本人も徐々に意識できるようになり外用が習慣づけられるようになると、さらに長期でコントロール維持ができるようになりますので、ぜひ頑張りましょう。
また、家事やお仕事が忙しく通院できなかったり、時間が無くて塗ることできなかったり、塗っているのに良くならなかったり、おこさんがべたべたをいやがってぬらせてくれない。。。こんな時は一度だけでもクリニックまでおいでください。塗り方のアドバイスや治療の大切さをお話ししたいと思います。
そして、ステロイドが不安なお母様。ご不安はごもっともですが、まずは「正しい医学情報」を聞いてみませんか?その上で、ご納得のゆくアトピー性皮膚炎の治療を行っていきます。
アトピー性皮膚炎は不安や悩みが大きい病気です。お子様とお母様がニコニコと笑っていただけるようにご一緒に治療のお手伝いをさせていただけませんか?
小児アトピー性皮膚炎とは?
多くは赤ちゃんのころから始まる全身の湿疹の一種です。皮膚が乾燥して、赤くなったり、痒くなったりを繰り返します。
原因
もともとアレルギーを起こしやすい体質、皮膚のバリア機能が弱くなっているなどの「アトピー性皮膚炎になりやすい体質」に、ホコリ・ダニアレルギー、ひっかくことによる刺激、汗や化学物質など環境の様々な刺激が加わってアトピー性皮膚炎になります。家族や本人にアレルギーの病気(アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息など)がみられることが多いです。
皮膚の乾燥について
皮膚の保湿は、皮膚の表面になる皮脂・皮脂膜、角質層にある天然保湿因子(NMF)、角質細胞と角質細胞の隙間を埋めている角質細胞間脂質(セラミドなど)などの成分によって守られています。アトピー性皮膚炎の患者様はこの成分が不足するなどにより、皮膚が乾燥しバリア機能に異常を起こすことにより発疹が悪化すると言われています。十分な保湿ケアが大事です。
症状
赤ちゃんのころに、顔から皮膚炎が始まり、全身に広がってゆきます。痒みが強いです。小学校以降は特に首、ひじ裏、膝裏に触るとザラザラした皮膚炎が出てきます。どの年齢の場合も全身の皮膚が乾燥しています。10歳くらいまでには症状が落ち着くことが多いのですが、最近、小学生以降に発生するアトピー性皮膚炎も増えています。
診断
アトピー性皮膚炎の診断はいくつかの症状を総合的に考えて行います。それぞれの年齢に応じた特有の症状、数か月以上(普通は6か月以上、乳児は2か月以上)の期間症状が繰り返している、アレルギー素因などでアトピー性皮膚炎の診断をします。食物アレルギーなどの血液検査を行う場合もあります。
治療の目的
アトピー性皮膚炎は通常は小学生期におちつくことが多いのですが、成人になっても続いていたり、成人になってから発生する場合もあります。しかし、長い年月がかかるものの、いずれは症状が落ち着くことも多く、その日がくるまで適切な治療で辛い症状をコントロールすることが一番重要なポイントです。また、日常生活でも保湿などのスキンケアで維持・予防をすることも重要です。
治療
アトピー性皮膚炎の治療は保湿と外用薬が主体です。他にアレルギーの内服(抗ヒスタミン薬)、漢方薬などもあります。
外用薬
- ステロイド外用薬 アトピー性皮膚炎の治療の基本はステロイドの外用です。ステロイド外用による治療のポイントは、その時の症状、年齢、肌の部位に合ったステロイドを選ぶこと、ステロイドの塗り方を適切にすること、(アトピー性皮膚炎の治療は長い期間になりますので)副作用を出さないようにすることなど、専門的な経験と知識が必要になります。
- 免疫抑制剤外用薬(タクロリムス) 免疫を調整する「ステロイドではない外用薬」です。2歳以上のお子様に使用ができます。ステロイドに対して抵抗のある患者様や、ステロイドを長期間塗りにくい顔などの部位などに用いられます。特有の刺激感があるので、専門医師による治療が必須です。
- 保湿剤 弱った皮膚のバリア機能を補います。アトピー性皮膚炎の予防に大切です。
- 抗炎症外用剤 皮膚で炎症を起こすさまざまな炎症物質を抑える効果のある「ステロイドではない外用剤」です。近年いろいろなものがでてきています。刺激が少ないものも多く、お子様に使える濃度のものもございます。副作用もでにくいので長期につかえたり、お顔にも使いやすいお薬です。ステロイド外用剤とうまく併用することで、ステロイド外用剤の強さや量をへらしたり、ステロイド外用剤をなるべくつかわずにコントロールしていくことも可能になっています。これらの薬は皮膚科専門医の診察の上、正しく使っていただくお薬です。
内服薬
- 抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬) 内服により痒みが楽になります。また、アトピー性皮膚炎に合併することがある花粉症にも効果があります。
- 漢方薬 一部の漢方薬には体質改善(内側から治す)的な作用があります。
スキンケア
どんな病気でも発生してから治すより、予防して発生しないようにした方がよいですね。赤ちゃんや小さなお子様はもともと肌が薄くちょっとした刺激に弱いうえに、アトピー性皮膚炎の場合は、皮膚のバリア機能が弱っているため、放置しておくと外部からいろんな刺激やアレルギー物質が皮膚の中に入り込んできて、症状が悪化し、さらに別のアレルギーの発生につながることもありえます。そのため、毎日のスキンケアが大切です。
- 保湿 アトピー性皮膚炎の患者様は、全身の皮膚が乾燥して、バリア機能が弱っています。病院で処方を受けた保湿剤などを、毎日塗ってお肌をしっとりさせましょう。保護者の方からみて全然乾燥していないという場合でも皮膚科医がみると実は乾燥している、ということがとても多いです。もちろん乾燥がなくても予防に継続して保湿することもとても大事ですので、乾燥していないと思っても、入浴後は毎日状態に合わせた基材(クリーム、乳液、ローションなど)で保湿はかならず継続しましょう
- 掃除 空気中に浮遊しているアレルギー物質(ホコリ、ダニ、花粉、犬猫の毛など)によりアトピー性皮膚炎が悪くなることがあります。
- 入浴 汚れもアトピー性皮膚炎の悪化につながりますが、洗浄のしすぎも肌にたいする刺激になります。低刺激性の石鹸を十分泡立てて優しく体を洗い、その後はしっかりすすぎましょう。
- 室温 夏は汗でアトピー性皮膚炎が悪化することがあります。エアコンにて適宜な室温に調整しましょう。汗を大量にかいたあとは、着替えやシャワーで軽く流すとよいです。
- 湿度 室内の乾燥は皮膚の乾燥につながります。また、湿度が高すぎるとダニ(アレルギー物質)の増殖につながります。湿度は50-60%がよいとされます。