脂漏性皮膚炎
頭、顔、脇などの皮脂が多い部分に脂ぎった、かさついた赤い発疹ができます。頭はフケが見られます。
細菌に分解された皮脂の刺激が原因です。マラセッチアというカビが悪化因子です。
ステロイド外用、抗真菌剤外用、ストレス軽減、抗真菌効果のあるシャンプーなどで治療します。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手のひら、足の裏に皮むけ・赤い発疹に加え、水疱や膿をもったプツプツができます。良くなったり悪くなったり繰り返します。胸の骨が痛むことがあります。診断のために組織検査を行うこともあります。
原因は不明なことも多いですが、歯の金属アレルギー、扁桃炎、喫煙などのこともあります。
治療はステロイド外用、活性型ビタミンD3外用が主体ですが、ビオチン内服が有効な場合もあります。禁煙に加え、金属パッチテストなどで金属アレルギー検査をして歯の金属除去を行うことや、扁桃摘出手術を行うこともあります。
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
頭、ひじ、ひざ、お尻などに皮むけした赤い発疹ができます。爪の変形も起こります。長年にわたり続きます。
原因は不明ですが、遺伝性もあります。
治療はステロイド外用、活性型ビタミンD3外用が主体ですが、治りにくい場合は免疫抑制剤内服、レチノイド内服、紫外線照射などを行うことがあります。
尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)
皮膚の一部が白く色抜けする皮膚病です。皮膚の色を作る細胞などが障害されて発生すると言われています。爪の変形も起こります。甲状腺、副腎などの内分泌系の異常を伴うことがあります。治療はステロイド外用、活性型ビタミンD3外用、免疫抑制剤外用、紫外線治療などです。
円形脱毛症
突然、頭の毛が抜け丸い脱毛が起こります。子供にもできることがあります。何か所もできることがあります。
原因は不明ですが、ストレスが関係する場合があります。甲状腺の病気など全身の病気を伴うことがあります。治療はフロジン外用、ステロイド外用などが主体です。凍結治療、ステロイド局所注射、紫外線治療、SADBE(人工的にかぶれさせる)、ステロイド内服・点滴、免疫抑制剤内服などを行うこともあります。
巻き爪(陥入爪)
足の親指などの爪が周囲の皮膚に食い込んだ結果、赤く腫れあがり痛みを伴います。肉の盛上り(肉芽)ができることもあります。原因は、爪質、合わない靴、爪の切りすぎ、爪白癬などがあります。爪の切り方工夫とテーピングが基本治療です。化膿している場合は、抗生物質を内服することがあります。難治の場合は、金属ワイヤーやプレートを用いた矯正、手術などを行うことがあります。
単純ヘルペス
ヘルペスウイルスという微生物が、皮膚の小さな傷などから侵入し、神経をたどって体内の深いところにある神経に潜伏します。風邪をひいて体が弱った時などに、神経を逆の方向にたどってヘルペスウイルスが皮膚に出てきます。唇、陰部、指などに水疱を伴った痛みのある水疱がいくつかできます。何度も繰り返して発生します。熱が出て口の中がただれたり、全身の皮膚に細かい水疱やただれが広がったりすることもあります。
他の人にうつす可能性があるので、発疹がある間はタオルの共用などをやめましょう。
抗ウイルス剤の内服や外用で治療します。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)
子供のころにかかった水痘(水ほうそう)のウイルスが、体内の深いところにある神経に潜伏し、ストレスなどをきっかけに皮膚に出てきます。痛みの自覚から始まり、数日後に多数の水疱を伴った赤い発疹がでてきます。体中のどの部位にも出現しますが、片側である一定の部位だけにでるのが特徴です(たとえば、右の額や左の上肢など)。
額や目の周りや鼻に発疹があるときは、目に異常が出ることがあります。また、耳のあたりに発疹がある場合は、聴覚の異常や神経麻痺がおこることがあります。水痘にかかったことのない小児にうつすことがあります。帯状疱疹後神経痛と言って、強い痛みが長年続く場合もありますが、これを防ぐために、早期治療と痛みの十分なコントロールが重要です。治療は、抗ウイルス剤の内服や重症では点滴を行います。痛みには鎮痛剤、ビタミンB12内服、プレガバリン内服などを行います。痛みの強い場合はペインクリニックで神経ブロック治療を行うこともあります。