個別記事2021/09/09
メディアでの脱ステロイド治療情報。。。
https://www.buzzfeed.com/jp/atsushiotsuka/atopic-dermatitis-steroid-2
先日あるテレビ番組で、脱ステロイドについての放送がありました。
放送の内容は、皮膚科専門医として見過ごせるものではありませんでした。
皆様にも、正しい知識をもって闇雲にステロイドを怖がってほしくはありません。
正しくつかえばとてもよい薬ですし、昔のように重大な副作用を起こさずに使えるようにお薬自体も、使い方もいずれも進化しています。
近畿大学医学部皮膚科学主任教授の大塚敦司先生が記事にされていました。
大変わかりやすく書かれていましたので、皆様にも是非読んでいただきたいです。
テレビや新聞、ネットにあふれている情報にも、正しいものとそうでないものがたくさんです。
時にお金儲けのための悪意ある誤った情報すらしばしば目にします。
情報を選択する自由はもちろんありますが、誤った情報をかたよって信じてしまい、つらい思いをされる患者さんがいらっしゃるのは目にすることが時々あります。
そのようにならないように、メディアの方には意識していただきたいところですが、いつの時代にもなくならないのです。
一昔前(今でもありますが)、『ステロイド悪魔の薬』説もその一つです。いまだにその影響をうけて、ステロイドは悪い薬、怖い薬と思っている方も多くいらっしゃいます。
当時と違い、現在ではステロイド外用剤には強さも様々あり、過去の間違った使い方によるひどい副作用が起きた苦い経験から学び使い方も変わっています。
正しい知識を持って正しくつかえば重大な副作用が出ることはほぼありません。
皮膚科専門医は、正しい知識のアップデートと長年の日々の診療での経験をもとに、微妙なさじ加減で、強さの調整をしたり、ステロイド以外の外用剤に切り替えたり、保湿剤を活用したりして、なるべく副作用が起きないように皮疹のコントロールをしているのです。
情報がたくさん手に入る世の中だからこそ、きちんと判断し、選択していかなければならないと思います。
なかなか大変なこととは思うのですが、パソコンやスマホの向こう側のどんな人かもわからない人の発する情報や、なんとなくいやだから、友達の友達がこういっていたからといった情報と、
毎日たくさんの患者さんをみて、日々皮膚疾患やお薬の知識をアップデートしている、目の前で実際にあなたの皮膚症状を目にしているすこしでもあなたの症状をよくしたいと考えている皮膚科専門医の意見と、
どちらの情報を選択されますか?
間違った情報でつらい思いをする患者さんが、少しでも減ってほしいと思っています。
もちろん医者の言うことがすべてではありませんので、たくさんの情報をそれぞれきちんと理解し、それぞれのベネフィット(効果)とリスクをきちんと自分で判断して、自分で選ぶということが大事と思います。
われわれは、日々の診療で、患者さんがわからないことがあればしっかり説明し、患者さんには正しい知識を持って、正しくお薬を使っていただき、少しでも早く症状がよくなりますように、患者さんと一緒に努力していきたいと思っています
まだまだ勉強中の身ではありますが、20年以上皮膚疾患を専門に診察してきておりますため、知識と経験はある程度ございます。
それゆえ、患者さんの診察中に、病気について、お薬について説明をしているときに、ついつい熱くなってしまうこともあります。
決して患者さんを責めているわけではなく、わかっていただきたいばかりに熱くなってしまうのです。
医者がお薬を出すだけでは病気は治りません。患者さんに早く治したいという気持ちがあることで免疫力が上がり、さらに、お薬を正しく使っていただくということが治療の一番大事なところなのです。
なので、つい熱くなってしまうこともしばしばあり、すみません。
しかし、自分だったら、自分の家族や大事な友人だったら、という目線で日々治療に当たっておりますので、ご理解いただけますと幸いです。
院長 前田亜希子